学校の休校が連休明けまで延長され、三鷹市では、登校日を中止しました。そして「真にやむを得ない事情により、ご家庭において一人で過ごすことが困難な児童・生徒を対象」(三鷹市HP)にした、①校庭の利用、②教室の利用、③昼食の提供、④教育支援学級での対応、という「子どもの居場所確保」の取り組みが15日から始まりました。
これに対して、三鷹地区協は13日に、東京の感染急拡大の中で、学校職場から寄せられている声をもとにして、居場所確保策の①~③について、抜本的に再検討するように緊急に要請しました。
要請の席上、三鷹地区協は、「3月からの全国学校一斉臨時休校中に三鷹市で行なわれてきた校庭等を利用する子どもの居場所確保の対応は、子どもの生活の実態に即して行われ、保護者・市民から歓迎されてきました。」と、述べたうえで、感染拡大の状況の変化に対応して、再度検討することを求めました。特に、昼食については、学童で希望する子どもへの提供は大切だが、それ以外に昼食のためだけに来校させる措置については、感染リスクの面から見直しを求めました。
【三鷹市長・三鷹市教育長宛の要請文の全文】
感染者の急増・緊急事態宣言の中で、子どもの安全確保のために、昼食提供の中止・抜本見直しなど学校施設を利用した子どもの居場所確保対応の再検討を求める緊急要請
三鷹市での、新型コロナウイルス感染症への市長を先頭にした対応に敬意を表します。
3月からの全国学校一斉臨時休校中に三鷹市で行なわれてきた校庭等を利用する子どもの居場所確保の対応は、子どもの生活の実態に即して行われ、保護者・市民から歓迎されてきました。
その後、5月10日まで臨時休校が延長され、三鷹市の臨時休校中の対応が発表され、4月15日から実施予定です。三鷹市では、「真にやむを得ない事情により、ご家庭において一人で過ごすことが困難な児童・生徒を対象」にした①校庭の利用、②教室の利用、③昼食の提供、④教育支援学級での対応、が始まる予定です。
わたしたちは、子どもの最も身近にいる教育の専門職として、現在の状況をふまえて、①~③について、下記の事項を要請します。
記
1.感染者の急増・緊急事態宣言の中で、子どもの安全確保のために、昼食提供の中止・抜本見直しなど学校施設を利用した子どもの居場所確保対応の再検討を求めます
要請理由
東京での感染者の急増という緊急事態の中で、教室という場所で昼食を共にすることは、感染リスクを高めると危惧しています。東京都は緊急事態措置として、学校については、「原則として施設の使用停止」を発表しました。こうした中で、保護者の方の危機意識が急速に高まっています。4月8日に各学校から各家庭に「キャンセル希望の方は13日正午までに連絡を」と通知されましたが、翌日には「すでに半数がキャンセル」という実態が寄せられました。本日正午までのキャンセル実態をふまえて、三鷹市は保護者の意向の激変を実感されていると思います。それは、学校現場の教職員と認識を共有できる数字ではないでしょうか。食事を共にする時は、マスクをはずします。昼食提供のため教室の提供をすることは避けるべきです。教職員の中には、「危険だから中止すべきだ。」「昼食提供は、市民の要望を受けて市が行うというのであれば、最低限、学校で昼食提供の場は設定しない方がいい。」「使い捨て容器による提供なら、学校で食べるのではなく持ち帰る形式にしらどうか。」「持ち帰った後にすぐ食べないと食中毒の心配はないか」など危惧する声が多く出されています。学校長から配食するように指示され、実際にそれを行う教職員自身が子どもの安全を心配しながら業務は異常です。
また、多くのキャンセルが出る中で行われたとしたら、例えば小学校では次の様なことが予想されます。希望者が多ければ、同じ学級・学年の友だちと一緒に教室で食べられます。しかし、現状では、一つの教室に顔も名前もわからない異なる学年の児童が数名、使い捨て容器で配られた昼食をしゃべらないで黙々と食べ、終わったら帰宅する・・・・。これが続けば、学校に昼食のために来るのを嫌がる子どもが出てくるのではないかと心配する声も出されています。今、申し込んだ家庭の保護者・子どもも、このような光景は想像していないと考えます。
さらに、校庭利用についても危惧されます。中学校では、前回の休校期間中は、生徒がバレーボールやサッカーなどボールを使って思いきり体を動かす経験が持てたので、参加人数も教職員が予想したより多かったと言われています。しかし、今回は、感染リスク回避のためボールの貸し出しをせず、持ち込みも認めないという対応がとられるようです。「中学生は、ボールで遊べなかったらこなくなってしまうのではないか」という声が出されています。小学校では、学年別の校庭利用で今まで多数が参加して遊んできました。感染急拡大の中で、子ども同士でじゃれあうように遊ぶ子どもたちに、「接触を避ける指導」ができるのか危惧する声が多数寄せられています。体を使って友だちとおもいきり体を動かせば動かすほど、感染リスクの増大を心配しながら見守り活動をすることを危惧しています。
このような状況の激変の中で、実際に数日実施して様子をみて次週から改善するというのでは、子どもの安全と健康を考えた時には、とるべき方法ではないと考えます。三鷹市から保護者へのお知らせ文には、「状況の変化により、昼食の提供を中止する可能性があります」と明記されています。今が、「状況の変化した時」ではないでしょうか。保護者からのキャンセル数・市や教育委員会に寄せられている声、そしてわたしたち学校現場の声を総合して、この対応が始まる前に再度検討されること強く願っています。4月3日、市民団体と共に市長に要請した折、地区協からの参加者は、市長に「今こそ、子どもを守るために行政と市民がワンチームで手を携えて対応しましょう」と発言し、市長がそれに賛同されました。その気持ちを大切にして、市民・学校現場の声をもとに再度検討されることを要請します。